読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

看護師転職ごっこ

転職を繰り返した看護師の私が毎日元気になれるよう、仕事、人生にふらふらしたときに気ままに書いています。

看護師の転職!その理由には本音と建て前がある?

experience

看護師が「今の職場を退職して、転職しよう」と考えることは、一般の職業に就いている方と同じように起こります。

厚生労働省の調査による看護師の「転職したい理由」は、引き続き看護師としての転職を希望する場合、「多施設への興味」(34.1%)、「給与に対する不満」(31.1%)、「休暇がとれない」(24.3%)がトップ3で、看護師以外の職に就きたいとする回答の理由は、「他分野(看護以外)への興味」(45.9%)、「責任の重さ・医療事故への不安がある」(37.3%)がもっとも多くなっています。

今の仕事を選んだ理由

看護職として勤務経験のある方には意外に思えるかもしれませんが、転職したい理由に「人間関係」を挙げた回答は15.4%、「超過勤務」については22.3%にとどまっています。

f:id:una-kowa:20160119234254g:plain

一方、日本医療労働組合連合会の調査では、慢性的な人手不足からくる過重労働から「看護職を辞めよう」と思った看護師が75%という実態が明るみとなりました。他「パワハラやいじめといった人間関係」「休日やシフト(夜勤)といった労働環境への不満」「上司・経営者への不満」「給与・待遇面での不満」なども理由に上がっています。

調査した機関から考えると、看護師の転職理由には「本音と建て前」があると言っても良いでしょう。しかし、理由が建て前であっても本音であっても、「転職」することが、前職よりメリットとならなければ、同じ理由でまた「転職」ということになってしまいます。

一方、日本医療労働組合連合会の調査によると、看護師の実に75%が「仕事を辞めたい」と考えており、そのもっとも大きな理由は「人手不足で仕事がきつい」からだとしています。このほか、「パワハラやいじめといった人間関係」「休日やシフト(夜勤)といった労働環境への不満」「上司・経営者への不満」「給与・待遇面での不満」なども理由に上がっています。

f:id:una-kowa:20160119234212g:plain

どちらかといえば、医療労働組合の調査のほうが、より看護師の本音に即したもので、「人手不足による劣悪な労働環境」が離職につながっていることは明白です。厚生労働省のアンケートは看護師養成校を通じて行われたものですから、「対外的な建前」が働いた結果かもしれません。

しかし、理由が建て前であっても本音であっても、「転職」することによって現在の不満が解消されなければ、同じ理由で再び「転職」を選ぶことになりかねません。

 

先の厚生労働省の調査によれば、現役看護師の50%以上が転職経験者で、そのうちの半数以上は複数回の転職を経験しており、4回、5回と転職を重ねている方もあります。たとえ離職理由の回答が建前であっても、この数字に転職を求める看護師の本音が表れています。

転職すると失うもの

現在、看護師は超売り手市場であるのは紛れもない事実です。さまざまな病院、施設、企業だけでなく人材紹介会社も含めて看護師を集めようとしています。なので、看護師の転職を楽観視している人もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

しかし、考えてみてください。なぜ、どこの医療機関でも看護師が不足しているのか?その理由こそ、看護師が転職したい理由のトップに挙げる「人手不足による過重労働」なのです。

つまり、看護師不足に悩む医療機関こそ看護師にとって「避けるべき現場」である可能性が高いのです。新3Kとも5Kともいわれる医療現場の人手不足は、看護師の離職を止められず、さらに潜在看護師の復職を妨げています。

だからこそ、看護師の転職は引く手あまたなのです。

 かといって、中途採用の看護師がそれまでのキャリアを正当に評価され、転職以前よりもよりよい待遇を手にできるとは限りません。

 日本看護協会の調査によれば、

http://www.nurse.or.jp/nursing/shuroanzen/wage/pdf/wage_report_2012.pdf

中途採用する際の賃金処遇について、「経験年数をすべて評価する」と回答した病院は46%、「経験年数を一部評価する」と回答した病院は48.6%でした。

しかし、採用後に改めて再評価をするか、という質問に対しては74.8%が「再評価はしない」と回答しています。つまり、入職時の評価がその後のキャリア形成や昇給に大きな影響を及ぼすことになります。

 かって、一般の企業では新卒入社の生え抜き社員をプロパーと呼び、ある程度の年功序列による昇進昇級が約束されていましたが、現在の企業社会では能力の高い社員は積極的に転職することで逆にキャリアアップにつなげることが可能となっています。

 しかし、看護職の中途採用における評価システムは必ずしも一般企業のようにはなっていないのが現状で、病院においては生え抜きの看護師のほうが、生涯賃金が高くなる傾向にあるようです。

 また、本音の転職理由に一番多い「人間関係」による転職の裏には、案外陥りやすい失敗が潜んでいることもあるのです。

 確かに、多くの時間を過ごす職場の人間関係が良くないと精神的に疲れ、追い詰められて、新しい職場へ転職という考えは致し方のないことなのかもしれません。

しかし、先にも述べましたが、なぜ職場の人間関係がぎすぎすしたものになってしまっているのか?その理由を考えなければ別の職場に移ったところで、再び同じような思いを味わうことになるでしょう。

 人間関係がうまくいかない理由は、人手不足であり、過重労働であり、休日や賃金など待遇面への不満を、多くのスタッフが胸に募らせているからです。そして、残念なことに転職先が現在の職場よりもよいという保証はどこにもありません。

それどころか、業務のやり方や手順が慣れ親しんだ現在のものとは著しく異なり、そのことがかえって大きなストレスとなることも珍しいことではありません。

転職した看護師からよく聞かれることは「前の病院と○○が違う」ということです。

これは当たり前のことですが、○○には「ルール・処置方法・申し送りの有無・記録・管理体制・就業時間・感染対策・サービス」など様々な言葉が入ります。勤務先が違うのですから、やり方に違いはあって当然です。

 しかし、以前勤務していた病院のやり方に固執して「こんなことはおかしい、以前は違った」などと考えていると、周囲もそれを敏感に察知してお互いに溝を深めてしまう可能性があります。「郷に入っては郷に従え」で、転職に際しては一から業務を覚えなおす覚悟が必要なのです。

人関係の悩みは繰り返す

看護師の本音の転職理由である「人間関係」

とはいえ、窮屈な人間関係は仕事を円滑に行うことを阻害する大きな要因となります。厳しい先輩がいる・意見の合わない上司がいるということは、病院に限らずどんな業種でも当たり前にあることです。

しかし、看護職のように人命に関わる仕事であるうえに、昼夜問わず非常に長い時間をともにしなければならない間柄では、精神的に参ってしまうこともあるでしょう。

 医療従事者、特に看護職は介護職とともにメンタル障害の多い職種といわれています。長時間の労働と人命を預かる責任の重圧、患者やその家族、医師や上司から受ける数々のプレッシャーやハラスメントに精神をむしばまれてしまう看護職は少なくありません。

このことは看護師であれば誰もが知るところですが、日本看護協会の労働実態調査により、約3割の職場にメンタル障害の職員がいる、という実態が明らかにされています。

f:id:una-kowa:20160119235003g:plain

 日本看護協会 看護師の労働実態調査

もし、自らが追い詰められてしまうほど悩んでいるのであれば、自分ひとりで抱え込まずに、信頼できる先輩や上司、同僚や友人に相談して解決していくのが望ましい方法です。

しかし、どうしても解決できない場合には、転職を機に人間関係を一新するのも選択肢のひとつとなり得るでしょう。ただし、新しい職場の人間関係が現在の職場よりも良好であるという保証はどこにもないのが現実です。

勤務している病院の担当プリセプター(新人看護師などに知識や技術を指導する先輩看護師)に考えを注意されたことで、仕事に行くことも嫌になってしまい、転職を決意した新人看護師。

入職して半年も満たないながらも、新しいことに挑戦したいと思い「部署を移りたい」とプリセプターに伝えました。

 するとプリセプターから「まだ看護師としての基礎もできていないのだから、今はこの病院で一人前になってから希望を出しなさい」と言われたことがきっかけで、ここでは自分のやりたいことができないと思うようになりました。

 希望する部署に配属してもらえるということで転職したものの、知識や経験のなさから「こんなこともできないの?」と指摘され、転職したことを後悔するようになりました。

 時には、先輩からの助言を理不尽な言葉に感じてしまうこともあるでしょう。しかし、転職したからといって、人間関係が全てうまくいくという保証がないことも事実です。

辛い関係に我慢しすぎる必要もありませんが、人間関係からくる転職は、まず何が原因であるか考え、相談できる上司などと話し合った上で決めた方が良いでしょう。

 何回も言いますが、転職を繰り返している看護師は生涯賃金が低くなると言われています。病院には退職金制度があったり、昇給制度があり、同一の職場で勤務しているからこその恩恵もたくさんあるのです。

転職をすることによって、このような権利を失うというリスクを考える必要があります。

隣の芝生は青くない

何かしらの不満から転職をする看護師が、前の職場の方が良かったと後悔することが多いのも看護師の転職でよくあることです。また、そういう後悔から前の職場に戻ることも看護師には特別なことではありません。この場合のリスクを事例を上げて紹介します。

失敗事例②

同じ看護学校を卒業し、同じ病院に就職したふたりの看護師。ひとりはその病院で勤務を継続し続けましたが、ひとりは3年目で一度病院を退職し、他の病院に転職しました。

1年後、以前勤務していた病院に戻りたいと思い、同期の仲間がいる病院に戻りました。その後、勤務は続けていましたが、勤務継続年数によって退職金が大きく違うことを後で知ることになりました。

 実際に同一病院で勤務を継続している看護師と一度退職した看護師では、退職金だけでなく、基本給やボーナスなどにも差が出ます。転職には金銭的なリスクもあることを知っておく必要もあります。

 例えば、建て前理由であってもキャリアアップのための前進として、一時的に給料が下がっても多くの学びを得られると考えれば、それは必要な転職であることとなります。

しかし、後悔してしまうような「何となく他の方がよく思えた」という転職はとてもリスクが高いものとなってしまいます。

転職を決める前に

看護師の2人に1人以上が転職を考えている現在ではありますが、転職を決めるにあたっては、ご紹介したリスクを鑑みて、意思決定する必要があります。

いつでもどこでも働くことができ、売り手市場であるから故に「いつか自分にピッタリと合った職場があるはず」と転職を繰り返してしまう看護師も存在します。

限度を超えた転職は、ほとんどメリットもなく、信頼性も欠いてしまいますので、慎重に考えましょう。

何かしらの不満から転職をする看護師が、前の職場の方が良かったと後悔することが多いのも看護師の転職でよくあることです。また、そういう後悔から前の職場に戻ることも看護師には特別なことではありません。この場合のリスクを事例を上げて紹介します。

同じ看護学校を卒業し、同じ病院に就職したふたりの看護師。ひとりはその病院で勤務を継続し続けましたが、ひとりは3年目で一度病院を退職し、他の病院に転職しました。

1年後、以前勤務していた病院に戻りたいと思い、同期の仲間がいる病院に戻りました。その後、勤務は続けていましたが、勤務継続年数によって退職金が大きく違うことを後で知ることになりました。

実際に同一病院で勤務を継続している看護師と一度退職した看護師では、退職金だけでなく、基本給やボーナスなどにも差が出ます。転職には金銭的なリスクもあることを知っておく必要もあります。

例えば、建て前理由であってもキャリアアップのための前進として、一時的に給料が下がっても多くの学びを得られると考えれば、それは必要な転職であることとなります。

しかし、後悔してしまうような「何となく他の方がよく思えた」という転職はとてもリスクが高いものとなってしまいます。

転職を決める前に

看護師の2人に1人以上が転職を考えている現在ではありますが、転職を決めるにあたっては、ご紹介したリスクを鑑みて、意思決定する必要があります。

いつでもどこでも働くことができ、売り手市場であるから故に「いつか自分にピッタリと合った職場があるはず」と転職を繰り返してしまう看護師も存在します。

限度を超えた転職は、ほとんどメリットもなく、信頼性も欠いてしまいますので、慎重に考えましょう。

ライティング&投稿 小西 仁瑞