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看護師転職ごっこ

転職を繰り返した看護師の私が毎日元気になれるよう、仕事、人生にふらふらしたときに気ままに書いています。

看護師夜勤の弊害1l寝付きが悪くなる睡眠禁止帯

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関係団体などがさまざまな調査を行なっているが、それらの多くは現役の看護師が対象だ。

 例えば、医労連の調査では七割の看護職員が慢性疲労を訴えているとの結果が明らかになっているが、こうした調査の対象者は慢性疲労を抱えながらも、何とか現場に踏みとどまっている、いわば「生き残らた労働者」だ。

看護師の夜勤は心身にどんな影響を与えるのか?

心身の健康を崩して職場を去った看護師の声はこうした調査には反映されていない。実際の健康被害はもっと深刻だと思われるが、そうした実
態は統計には表れてこないのだ。

健康診断などに合格した、心身に問題のない労働者だけを調査対象としてしまったため、身体データやアンケート結果が一見、良好だったり、偏ったりして現れることを「ヘルシー・ワーカー・エフェクト(健康な労働者の効果)」という。夜勤の是非を論じるには、ヘルシー・ワーカー・エフェクトによる影響を受けない客観的なデータが理想的だ。

夜勤が心身に与える影響

科学的に明らかにすると、神奈川県川崎市にある財団法人。労働科学研究所の慢性疲労研究センターで主任研究員を務める佐々木司さんは、夜勤・交代勤務が身体に与える影響や、慢性疲労と睡眠の関係などについて調査、研究しているほか、海外の研究成果を紹介、普及する活動に取り組んでいる。

労働科学研究所とは、労働者の労働条件や健康状態、職場環境を改善するための研究のほか、労災防止や安全、衛生管理のための講習会や研修会の企画などを手がける民間の研究施設。もとは、繊維メlヵl大手・倉敷紡績(クラボウ) の大原孫三郎社長(当時)が一九二一年、労働者の処遇改善を目的に設置したのが始まりだ。

佐々木さんによると、科学的な視点から見た現在の看護師の夜勤・交代勤務には問題が多いという。これまでの海外での研究結果によると、人間には一日のうち午前中と夜の二回、眠気が弱まる「睡眠禁止帯(覚醒維持帯)」といわれる時間帯がある。このうち、より目が冴えるのは夜のほうで、時刻は午後七時どろだという。

人間はこの時間帯に眠ろうとしてもなかなか眠れないとされるが、三交代勤務の看護師の場合、「日勤―深夜勤」の勤務の間にこの睡眠禁止帯が含まれる。

日勤の後、家事などを終えて、いざ仮眠を取ろうとする時刻はだいたい午後七時すぎとなり、まさに睡眠禁止帯にぶつかってしまう。日勤―深夜勤は看護師の間でも最も不人気な連続勤務だ。彼らが「仮眠が取れなくて身体がつらい」と嘆くのは、家事などに追われて物理的に仮眠時間が取れないという事情もあるが、一方で、生理的に元来、この時間帯はなかなか寝付けない時間帯でもあったのだ。

また、「日勤―深夜勤」「準夜勤―日勤」など勤務と勤務の間隔が八時間程度と短いことも、睡眠の質の観点からみると、好ましくないという。このように一部の勤務間隔を短くして、代わりに連続して休日を取る働き方、言い換えると「まとめて働き、まとめて休む」働き方を「圧縮勤務」と呼ぶ。

圧縮勤務は「フレックスタイム」「時差出勤」などと並び、働き方の選択肢のひとつとして、一般企業でも取り入れているところがある。しかし、看護師には、そうした選択の自由があるわけではなく、仕事の性質上、圧縮勤務に就かぎるを得ない。本人の希望とは無関係に、強制的に圧縮勤務に組み込まれるような場合は、眠りにつく前に「八時間後は勤務だ」というプレッシャーが高まり、その際の睡眠中はストレスホルモンの値が高くなるなど疲労が回復しづらい「注意睡眠(睡眠不安)」になってしまうとされる。

過酷な夜勤・交代勤務を乗り切るには、いかに効率よく眠り、疲労を回復するかが鍵だ。

しかし、実際は、勤務と勤務の間に眠気が弱まる睡眠禁止帯が含まれ、寝付けたとしても質の悪い睡眠になってしまう。看護師の勤務シフトは身体の仕組みから見ても健康を害しやすい形態になっているのだという。