看護師転職ごっこ

転職を繰り返した看護師の私が毎日元気になれるよう、仕事、人生にふらふらしたときに気ままに書いています。

看護師夜勤の弊害2l高まる発がんリスク

f:id:una-kowa:20151027172956j:plain

佐々木さんによると、日本ではまだあまり認識されていないが、すでに欧米などでは夜勤・交代勤務とがん発症との因果関係が広く知られている。

 男性の場合は前立腺がん、女性は乳がんを誘発するとされ、夜勤業務に就く女性労働者の乳がんリスクは平均に比べて一・五倍との研究データもある。

夜勤に伴う発がんのメカニズム

夜間に蛍光灯などの人工光を浴びると、ホルモンの一種で、本来なら夜間の眠っている間に生成される「メラトニン」の分泌が抑制される。メラトニンには抗酸化作用や発がんを抑える作用があると同時に、乳がんや卵巣腫瘍などのリスクを上げる女性ホルモンの一種「エストロゲン」の分泌をコントロールする働きがあるとの説もある。

また、このエストロゲンは人工光の下では、生成が促進されることがわかっている。海外の調査では、常に日勤に従事している人と、夜勤・交代勤務に就いている人の、夜間の唾液中に含まれるメラトニン量を比較したところ、日勤者は一ミリリットル中11.9ピコグラムだったのに対し、夜勤・交代勤務者は8.3ピコグラムで、夜勤労働者のほうがメラトニン分泌量が少ないことが証明された。

つまり、夜間に人工光を浴びる夜勤労働者は抗がん作用のあるメラトニンが減り、代わってがんを活性化させるエストロゲンが増えてしまう(男性の場合は同様のメカニズムで男性ホルモンの「テストステロン」が増える)。

夜勤に従事する女性は乳がんを、男性は前立腺がんを誘発するリスクが高まる

こうした科学的なデータを受け、世界保健機構(WHO)の外部組織「国際がん研究機関(IARC)」は二〇〇七年、夜勤労働と発がんの因果関係について「おそらく発がん性がある」と認定した。

これは、因果関係を証明した科学的根拠の確実性を五段階で評価したレベルのうちの、上位から二番目にあたり、喫煙者やアスベストを扱う職場で働く労働者が該当する「発がん性がある」という最高レベルに次ぐ水準。夜勤・交代勤務と発がんの因果関係が科学的に高い確度で裏付けられたことを意味する。

すでに、デンマークでは元夜勤労働者の労災認定を開始。「週一回以上の夜勤を二〇年以上続け、ほかに特別な危険因子がない」などの条件に合致したうえで、乳がんにかかった労働者を対象に補償金の支給を始めた。

該当者の多くが看護師や客室乗務員だという。

佐々木さんは「IARCの認定やデンマークの取り組みに対しては、欧米でも関心が高まっていて、メディァなどでも大きく報じられました。それに比べると、日本での関心はまだまだ低い」と指摘する。