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看護師転職ごっこ

転職を繰り返した看護師の私が毎日元気になれるよう、仕事、人生にふらふらしたときに気ままに書いています。

看護師夜勤の弊害3|脅かされる業務の安全性

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過酷な夜勤は看護師の健康だけでなく、業務の安全性をも脅かす恐れがある。

 海外の研究結果のなかには、夜勤中の作業効率は酒気帯び状態のときと同じレベルだとする報告もある。

佐々木さんによると、これは、「眠気」を血中アルコール濃度に換算して測るというユニークな実験で、オーストラリアの研究者によって行なわれたものだという。

実験では、パソコン画面などの軌道上を動く光の点を追っていく単純な「トラッキング作業」を、一方はアルコールを飲まないで午前九時から夜間にかけて二四時間以上連続でこなすグループ、もう一方はアルコールを飲みながら作業をするグループに分けて、その成績を比較する。

この結果、アルコールを摂取しないグループの作業成績は午後九時をピークに下がり始め、午前七時に最も低くなる。彼らの作業成績を、アルコールを摂取したグループの血中アルコール濃度と対照させると、午後11時以降の成績は、日本の酒気帯び運転の基準に当たる血中アルコール濃度0.03%のときの成績とほぼ同じであることがわかった。

成績はこの時間帯以後も下がり続け、相当する血中アルコール濃度は午前七時には同0.09%近くまで上昇することがわかった。

この研究により、アルコールを飲んでいないグループの夜勤時間帯における作業効率は、アルコールを飲んだときの状態と同じくらい低下することが科学的に証明された。看護師は夜勤時間帯のほとんどを酪酎状態と同じ作業効率でもって仕事をこなしていることになるわけだ。

だからといって、実際の看護師が夜勤中に千鳥足だったり、手元がおぼつかなかったりすることはない。佐々木さんが補足する。「多くの看護師が夜勤中になぜ、事故を起こさず、普通に働いているか。それは、彼らが極めて高い緊張感の下、業務に当たっているからです。こうした緊張感が続くことによるストレスもまた相当の負担になっています」

別の海外の調査では、看護師が一二時間連続で勤務した場合、八時間勤務の時に比べて勤務時間帯の最後の二時間で針刺しや、自らの傷口や粘膜に患者の血液などを接触させてしまう事故に遭う割合が高くなるとの報告もあるという。

多くの看護師が、夜勤明けが近くなる午前5~7時ごろが最も眠くてつらい時間帯だと口をそろえていた。

「採血のために患者の腕を取りながら、うつらうつらしてしまったことがある」「アンプル(薬液などが入った小さなガラス製容器)を持つ手に力が入らず、落として割ってしまうことがたびたびある」「患者と話した内容を覚えていない」「処方薬の仕分けを間違えるのは、決まって明け方」「内線電話をかけてコールしている間に、何の目的で、誰にかけたかを一瞬忘れてしまう」など、いずれも夜勤が明ける直前の出来事だという。

確かに、ある看護師はそのときの状況を「まるで、お酒に酔ったようにもうろうとしている」と表現していた。オーストラリアでの実験の結果を見ると、これはあながち的外れな感想ではなかったということになる。

さらに、別の調査では、夜勤明けの労働者は自動車事故や居眠り運転をしてしまう確率が高いとの報告もある。夜動による集中力の低下は医療ミスのリスクを高めるだけでなく、看護師の労災をも引き起こす危険をはらんでいる。