看護師転職ごっこ

転職を繰り返した看護師の私が毎日元気になれるよう、仕事、人生にふらふらしたときに気ままに書いています。

病院マニア

「あの人、〇〇病院と〇〇病院で、出禁だったらしいよ」と、救急の看護師が、患者さんについてこんなことを話しているのを聞いたことがあります。

何のこと?と聞いてみてびっくり!

 それはとある薬を目当てにした「病院マニア」の話でした。救急科にいると、腹痛や胃痛で飛び込んでくる患者さんは珍しくありません。ところが、その中に時々、不審な患者さんがいることがあります。

f:id:una-kowa:20150804225117j:plain

「あの、なんていったっけなぁ!(○○)とかいう注射、前に打ってもらったんです。あれ打ってくれたら、多分大丈夫なんですけどね」。救急の経験がある程度ある看護師や医師だと、この時点でピンとくるみたいです。

あ、中毒患者だ、と。その○○という薬、麻酔前投薬といって本来は麻酔の前に患者さんの緊張を和らげる薬物なんですが、軽い鎮痛剤としても使われるんです。

で、これを打つとフワーッといい気分になり、とたんに楽になるらしく。一度それを経験してしまうと、中毒状態になってしまう患者さんがたまにいるらしいんです。

大体こういう人たちの特徴として、「別の薬にしましょうか?」と言うと突然あわてたり、どうしても無理だと分かると、「いや、もういいです。治りました」とそそくさと帰るというのがありがちなパターンです。

しかし、救急や普通の外来でも、何度も行くとさすがに面も割れてきます。だから病院側も「出禁」にしますし、すると彼らはまだ面が割れてない病院を探して歩く。そんなこんなで病院マニアの出来上がり、というわけです。

しかしながら、このマニアは、ときとして医療業界の人間もいるというから驚きです。私が聞いたのは、男性看護師で近隣の病院から出入り禁止になっている人がいる、という噂。

薬の効能を知ってるだけに、つい魔が差してしまってということなのでしょう。

確かに病院だと、麻薬として使える薬を多数扱っているので、こういう話にはみんな敏感にはなっています。モルヒネなど本当に危ない薬は、みなさんが思うより厳重に管理されているんです。

棚に鍵がかけてあったり、薬剤部から取り寄せた場合、使用したら「誰にいつ使用したか」というのを空き箱に書いて、使用した針や注射器、未使用のものと一緒に必ず返却。そのくらい徹底しているんですが、ここまでしても、病院によっては時々盗難がおこるというから怖い話なんです。

そういうのは大体、病院内でもみ消してるみたいです。

さすがにばれると大問題ですから。ここまで厳重に管理されていない、先ほど言ったような麻酔前投薬や、ハルシオンなどの睡眠薬は、ここだけの話、時々無くなるという話を聞きます。

でも、もちろんこれも大問題であることには変わりありません。無くなった薬は持ち出した本人が自分で使っているのか、もしくは売買されているのか。

こういうことを考えると、自分の働いている世界の闇を覗くようで、少しゾッとしますね。