看護師転職ごっこ

転職を繰り返した看護師の私が毎日元気になれるよう、仕事、人生にふらふらしたときに気ままに書いています。

花の香りに包まれるブラックすぎる患者

病院にはいろいろな患者さんが入院してきます。

もちろん、なかには普通のお仕事ではない人もいます。

今までで一番驚愕したのはヤクザの親分が入院してきたときです。

 

私はある地域に勤務していた時期に、2度ほど経験しました。

通院となると大変!

いざ入院となったらもっと大変!

知りたくてもなかなか聞けない病院の裏話、時間の余裕があればお読みください。

 


1.個室前の廊下からエレべーターの前まで、明らかにカタギじやないお兄さんたちがズラリ。

タイトなスーツ姿からダボっとしたジャージ姿まで、いでたちは様々ですが、目つき・顔つき・雰囲気は共通です。とはいえ、彼らは彼らで手持ちぶさたのようで、ただウロウロしているばかり。

実際、ものすごく邪魔なんです。

面と向かってそんなことを言える命知らずなナースもいません。

ワゴンを運んでいるときとか、なんとなくこっちが邪魔だな!という雰囲気を醸し出していると、よけてはくれるんですけどね。

 

入院してきた翌日には、今度は病室が花の山!さながら歌手のコンサート会場の楽屋かロビーか、という感じで、病室の外にまで中に置ききれない花があふれる始末。

また、蘭やら百合やら豪勢なお花が多いので、匂いがハンバじゃない。フロア中がむせかえるような花の香りに包まれていました。

 

2.無断で外出

困ったこともいくつかはありました。

親分が入院中に、近くで発砲事件が起こったんです。どうやら彼の組が少し関連していたらしく、その親分、病院の許可も取らずに2日間ほど勝手に外出してしまいました。

何のためだったのかは決して言いませんし、知るよしもありません(というかむしろ知らない方が幸せかもしれません)。

2日後、ひよっこり帰ってきた親分さんに、

「無断で外出されるのは困ります」

とは注意しましたが、状況が状況だけに小声で言ったのも事実。

 

3.小銭が10万円

そういえばこんなこともありました。親分がある日、病室で「小銭が無くなった!」と大騒ぎ。ナースや他の病院スタッフが疑われてはいけないので探すを手伝いをしようと、一応「どのくらい無くなったんですか?」

と聞いてみたら、なんと「10万円」との答え。小銭ですかそれが。

丸1日探しても見つからず、相変わらず騒いでいる親分。でもナースのなかには、さすがにその金額だったら、もしかしたら勘違いなのでは?という疑問が。

そこでやんわりと確認してみようという流れに。そして、またこのような事件が起きては大変だなと思い、親分に高額な現金はセイフティボックスを使ってもらうようお願いすることにしました。

でも、ひとりだとちよっと言いづらい。するとナースステーション前にいつもいる若い下つ端くん(笑)が、

「じやあ、俺が一緒にオヤジさんに言ってあげます!」と言ってくれました。
身内の人が味方にいたら言いやすくなりますね。

病室に乗り込んだ私。親分さんに、「もしかして、10万円が無くなったのって勘違いなのでは?」
と聞いてみると、

「俺がウソついてるってのかい?」
と、ちよっとご立腹の様子。さすがに本職、怒るとやっぱり怖いです。

仕方ないので横の下っ端くんに、目で助けを求めました。と、一言物申そうとした下つ端くんに親分が、
「なんだお前も勘違いだって言いたいのか什?」

硬直する下っ端くん。次の瞬間、
「いや、そんなことないつス!オヤジさんが正しいっス!!」
ナニーツ!味方になってくれるって言ったじゃん。

心の中で、このウソつきが!と叫んだことは言うまでもありません。すごすごとナースステーションに引き下がった私でした。
ちなみに、10万円は後日、親分のジャケットの中から見つかったそうです。

ただ、こういったヤクザがらみの病院でのトラブルは、実際にはあまりありません。これは私だけではなく、他のナースも言っていましたが、大体ヤクザの親分って、全般的に落ち着いた人が多いんです。

ナースや医師にも、本当にちゃんと接してくれる。わがままなことを一方的に言って怒鳴り散らすなんてことは絶対にないし、部屋の中や外に付き添っている若い衆にも、ことあるごとに、

「カタギの皆さんに迷惑かけるんじやねえぞ」

って言っていました。

こういう世界の人たちって、私たちから見て立場が上っぽい人ほど、ナースや医師たちには丁寧に接してくれます。逆に、明らかに下っ端という感じの人ほど、ナースや他の患者さんに凄んでみたり。

どの世界でも、上に立つ人は違うんだなあ、と思ってしまったものです。

 

4.変わった患者「犯罪者」

もうひとつ、病院に来る変わった患者さんと言えば犯罪者。

警察署や留置所、刑務所で病人が出た場合、近くの病院に運ばれてくるんですね。

これも新人時代、最初見たときはびっくりしました。警察官は患者ひとりにつき、常時3人つきます。そしてひとりはロープと手錠で患者さんと手をつないでいます。

これが交代制で24時間続くんです。時々、明らかにもう起き上がれないような患者さんでもそうやって手をつないでいるのを見ると、

「どうせ逃げられないんだし、外してあげればいいのに」

と思うことも。規則だから仕方ないのかもしれませんが。
でも、こういうた警察の人って、ナースたちには大体評判が悪いのです。食事のときとかも、患者さんにアゴで、食っていいぞ!って言ったり、とにかく偉そうな感じです。

ナースや医者たちにもぶっきらぼうで態度が悪い人が大半。また常時3人もついているから暇なのか、クロスワードで時間をつぶしている人も。

税金泥棒!ってツッコミたくなりますね。これだったら、ヤクザの方がまだ礼儀正しいよね、とよく陰で話していました。

 

5.脳内出血の患者が多い

実は大きい声では言えませんが、刑務所から運ばれてくる受刑者の患者さんにはちよっとした特徴がありました。
それは脳内出血の患者が異様に多いのです。

通常、いくら神経内科に運び込まれてくる人と言っても、例えば脳の疾患だったらいろいろな症状の人がいていいはずなんです。でも、運び込まれてくる人の大半が脳内出血。

脳内出血は高血圧などが原因の大半ですが、どうやら刑務所からの患者さんは、外傷による脳挫傷を伴う脳内出血の患者さんが多いみたいなんですよね。

外傷による脳挫傷。つまり、何らかの形で脳に衝撃が与えられたということです。

それが受刑者同士のケンカや私刑なのか、そうじやないのかは私たちには想像することはありません。でも、刑務所からの患者さんを受け入れる度に、ちよっとゾッとしていたのも事実。

彼らは厳重な監視のもと、何も言わずに退院していきますので、真相は闇の中、いえ塀の中でしようが。