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看護師転職ごっこ

転職を繰り返した看護師の私が毎日元気になれるよう、仕事、人生にふらふらしたときに気ままに書いています。

看護師転職は正しい退職をしてから

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転職したいと思ったからには何かしら理由があるはずです。
あなたの場合、それはどんなことでしょうか?
「同僚との人間関係に悩んでいる」「看護師長と気が合わない」「勤務シフトが平等じゃない」「給料が低い」「プライベートな時間を増やしたい」「休みを取りにくい」「今の仕事にやりがいを感じられない」「もっと専門性を高めたい」「違う病院でチャレンジしてみたい」

 いろいろな理由があると思います。そして、問題は一つではなく、複数の問題が絡み合った結果、「だったら転職しよう!」という結論に達したのかもしれません。

しかし、ここで一旦冷静になって考えてほしいのです。転職は、あくまで対策の“一つ”であるということ。「現状打破=転職」ではなく、あくまでも、いくつかある選択肢の一つなのです。

たとえば、病院を変えなくても、別の診療科、部署への異動を希望することで人間関係の問題は解決するかもしれません。担当科が変われば、新しく学びとるものもたくさんあるでしょう。病院の教育制度を利用して専門看護師や認定看護師の勉強にチャレンジすることもできるかもしれません。

かつ、そうした資格を取得することで、給料が上がる病院は多くあります。あるいは、もう少し長く働き続ければ退職金をもらえるようになる可能性もあります(退職金の規定は組織によって異なるので、就業規定をチェックしてみてください)。

逆に、転職によって職場を変えたとしても、すべてにおいて元の職場よりも条件がよくなるとは限りません。

まずは、今の現状の良い点、悪い点、(変えたいところ)をリストアップしてみましょう。
次に、転職することのメリット(改善できること)、デメリット(悪くなる可能性があること)を書き出してみましょう。今すぐ、転職すべきかどうか、客観的に判断する材料になります。

《転職すべきかどうかのメモ欄》

今の職場の良いところ




今の職場の悪いところ




正しい退職に必要な準備とは?

ポイントは3つ


さて、今の職場の良いところ、悪いところ、転職のメリット・デメリットを書き出し、客観的に判断した上で「やっぱり、転職」という結論が出たのなら、きっと今が“その時”なのでしょう。

ここからは、「うまくいく転職」について考えましょう。まず大切なのは、円満にスムーズに退職するということ。もし転職先がすぐに決まったとしても、今働いている職場をすぐに辞められるかというと、当然、そうもいきません。

「これ以上、あの人の下で働くのは嫌だ!」と今すぐにでも辞めたい人はいるかもしれませんが、一時的な感情で「もう辞めます!」と辞表を叩きつけて職場を飛び出してしまうことのないように・・・。

雇用保険や健康保険などの手続きもありますし、退職金、ボーナスなどのもらえるはずのものがもらえず、自分が損をしてしまいます。退職するときに注意するポイントは、

①退職意思の伝え方

②業務の引継ぎ

③社会保険の手続き 

の3つ。それぞれについて説明しましょう。

 

退職までのカウントダウン

1~2か月以上前
・・・直属の上司(担当の看護師長などに退職の意思を伝える承諾を得たら、上司と相談し退職日を決定、引継ぎのスケジュールを立てる

1か月以上前
・・・担当していた業務のマニュアル作成や同僚への引継ぎ

2週間前までに
・・・「退職願」を提出

退職前日までに
・・・更衣室のロッカーなど、病院においている私物の整理を

退職当日
・・・健康保険書、制服などの備品、IDカードなどを病院に返却、年金手帳、離職票、源泉徴収票、雇用保険被保険者証を受け取る。

お世話になった先輩、同僚、患者さんへのあいさつも忘れずに

 

ポイント①      

すんなりと退職意思を伝える方法

誰に、いつどうやって? 引きとめられたらどうするか?

 

「退職したい」と上司に伝えることは、ちょっと勇気がいるものです。初めての転職(退職)であれば、なおさらでしょう。

退職が決まったら師長の態度が悪くなるのではないか、「辞めます」と伝えてから一緒に働くのが気まずいなどいろいろ考えているうちに伝えるのが遅くなってしまいがちですよね。

でも、引き継ぎをしなければなりませんから、ある程度の余裕を持って退職の意思を伝えなければ、希望通り辞めることができなくなるかもしれません。誰に、いつまでに伝えるべきか、どうやって(メール?口頭?)伝えるのか、理由をどこまで説明すべきか、悩むところです。


誰に伝える?


退職の意思を最初に伝える相手は、直属の上司がマナーです。つまり、病院であれば、所属している病棟、外来などの看護師長です。直属の直属の看護師長を飛び越し、看護部長や、まわりの同僚に先に伝えるのはマナー違反。上司の管理不足と捉えられかねませんので、避けましょう。

 

いつまでに、伝える?

「いつまでに」伝えるべきかというと、法律上は、2週間前までに伝えればよいとされています。しかし、多くの場合は就業規則で「退職日の○か月前までに」などと規定されています。同僚が突然辞めてしまったら・・・と考えてみてください。

シフトも変わり、迷惑ですよね。残された人にしわ寄せがいくわけですから、やはりある程度余裕をもって伝えた方がベターです。そのため1~3か月前に伝える人が多いようです。

また、タイミングも重要です。たとえば、年末年始や夏季休暇のシーズンで人が手薄になっている時、あるいは、新人が増える4月などは、できれば避けたいところです。

円満かつスムーズに辞めるためには、自分の都合だけではなく、なるべく病院側にも負担にならないよう考慮したいものです。


どうやって、伝える?

「どうやって?」については、やはり直接会って話すのがベストでしょう。上司の手が空いているタイミングを見計らって、「ちょっとご相談があります」などと、ソフトに切り出し、退職を決意したことをキッパリと伝えます。

病院にとって看護師は大変な戦力。どんな形で切り出しても、「考え直して欲しい」と一度は引きとめられるかもしれません。

そんなときに、「まだ悩んでいるな」「残ってくれる可能性がありそう」というような態度をとると、なおさら、強引に引きとめられて辞めにくくなってしまうので、丁寧に、キッパリと退職の意思を伝えることが肝心です。

 

どんな理由で伝える?

退職理由をどこまで伝えるかは、悩むものです。

いろいろと不満があったとしても、辞めるまでの数か月間一緒に働くことを考えると、不満を並べたてるのではなく、転職してどんなキャリアアップを図りたいのかといった前向きな理由、あるいは結婚、妊娠、親の介護、夫の仕事の都合など、「どうしようもない理由」を挙げたほうがベターです。

また、もしも待遇に関する不満を理由とした場合、「給料を上げるから」「特別に休暇を取っていいから」など、譲歩案を提示されて、続けざるを得なくなることもあります。

しかし、そうやって続けた場合、もしも同僚に知られれば、「あの人、『辞める』って言って特別に休暇をもらったらしいよ」などと印象が悪くなる可能性も・・・。また、口約束で退職を取りやめたものの、結局は以前とそんなに変わらなかった・・・といった失敗も耳にします。

「辞める」と決めたからには、待遇など、改善の可能性がある理由を伝えるより、たとえ嘘でも「辞めざるを得ない」理由を挙げたほうがいいでしょう。

 

退職願の書き方

退職の意思を伝えて、OKがもらえたら、「退職願を出してね」と言われるはずです。
一般的に、自己都合の退職の際に提出するものですが、実はこの書類、法的には「絶対に提出しなければならない」というわけではありません。

でも、病院側の事務手続きのために、多くの場合、提出が求められます。ここで、「退職届けなの?退職願なの?」と疑問に思うかもしれません。

実際はほとんど差はありませんが、「退職届」の場合、退職することを届け出る、つまり、「退職しますよ」と断定する形になります。一方、「退職願」は、「願い」という漢字のとおり、「退職させてください」と意思を伝えて承認を依頼するもの。

実質的にはあまり変わりはないとはいえ、よりソフトな印象の退職願を提出するのが一般的です。最近ではパソコンで作成してプリントアウトする方法でも特に問題はありませんが、やはり手書きで書いたほうがより丁寧です。

また、横書きではなく、縦書きが一般的です。文面は、深く悩むことはありません。もし病院でフォーマットが決まっていれば、その通りに、特になければ標準的な文面をそのまま写せば問題ないでしょう。

ちなみに、退職の理由はいろいろあっても、基本的には「一身上の都合により」の一言ですませること。つまりは、「自分自身の問題、個人的な事情で」ということです。

退職願はあくまでも形式的なものですから、本音をつらつら書く必要はありません。書いても、後々面倒になるだけです。 

 

標準的な退職願

 

退職願
私事
この度一身上の都合により、来る平成○年
○月○日をもって退職いたしたく、ここに
お願い申しあげます。

平成○年○月○日
○○科
看護花子 ○印

医療法人○○総合病院
院長 山田太郎 殿


ポイント

 

  • 白い縦書き用の便箋に、黒のボールペン、あるいは万年筆で
  • 封筒は、縦長の白無地
  • 封筒の表には中央に「退職願」と記載し、裏に自分の名前と所属部署を記入
  • 書き出しは「私事」あるいは「私儀(わたくしぎ)」から。「私個人のことですが・・・」といった意味。行の一番下から書き始めるのは謙遜の気持ちを伝えるためです
  • 退職の理由は、「一身上の都合により」とシンプルに
  • 退職予定日は、事前に上司(看護師長など)と相談して決めた日にちを入れましょう
  • 最後の日付は、退職願を書いている日付ではなく、提出する日付のこと
  • 所属部署、自分の名前は宛名よりも下になるように。捺印も忘れずに
  • 宛先は、直接手渡す人ではなく、最高責任者。つまりは病院長の名前になります

 

ポイント②       

円満に退職するための引き継ぎ


引き継ぎが不十分だと転職先でも評価が?
退職の意思を上司に伝えて、OKをもらったら、次に考えなければならないのは「自分が担当している仕事をいかに引き継ぐか」ということです。

一緒に働いていた同僚が辞めた後、仕事が増えたり、あるいは引き継ぎが不十分で問題が起きたり・・・といった経験をしたことはありませんか?

だからこそ、残って働く同僚になるべく負担をかけないように引き継ぐことは、円満退職の大切なポイントです。それに、引継ぎが不十分だった場合、退職後も何度も確認の電話がきたりと、自分自身も面倒。

自分の携帯電話に連絡がくる分にはまだいいのですが、転職先にまで前の職場から何度も連絡がくるなんてことになれば、「ちゃんと引き継ぎをしなかったんだな」と新しい職場での印象まで悪くなってしまいます。

スムーズな引継ぎのためにお勧めなのは、担当している業務を事前に洗い出し、「引き継ぎノート」をつくるということ。引き継ぎの内容を文書化して残すことで、引き継ぎの」漏れが少なくなりますし、引き継がれた側にとっても「説明してもらったけれど忘れた」「説明してもらった記憶がない・・・」なんていうことも減ります。

引き継ぎノートには院内の委員会の担当なども含めて、担当している仕事の流れ、作業内容などをわかりやすく記載しましょう。

また、転職先に連絡がくるのを避けるには、退職した後で、あなたにしかわからないことが出てきた際のため、電話番号やメールアドレスなどの連絡先を伝えておくとより親切です。

 

最後のあいさつも忘れずに

引き継ぎも終え、退職当日の最後の仕事は、それまでお世話になった人たちへのあいさつまわりです。誰のところまであいさつに赴くかは悩むところですが、同僚はもちろん、看護部長にもあいさつに行きましょう。

あいさつへ行くタイミングは、事前に看護師長に相談しておくと話がスムーズに運びます。また、看護部だけではなく、お世話になった医師、他の関係部署、さらには患者さんにも、最後にあいさつをしておきましょう。

ちなみに、外部でお世話になった人など、挨拶状を発送したい場合は、退職の1週間前くらいが目安です。


ポイント③       

損しない社会保険の手続きは?
必要な手続きは「いつ、働き始めるか」で違う
スムーズな退職ポイントの最後は、社会保険等の手続きです。

組織に勤めているときには、給料から天引きされるため、あまり意識することのない、社会保険料や税金。そもそも毎月いくら引き落とされているのか、知らない人も多いのでは?

退職後、間隔を空けずに働き始める人は、退職前に必要な書類を受け取り、新しい職場の総務や事務担当者などに渡せば、代わりに手続きを行ってもらえます。

でも、転職先がまだ決まっていない、あるいは、「旅行にでも行ってリフレッシュしてから働こう」「せっかくの機会だし、一旦、臨床から離れて大学で勉強しよう」などと計画中の人は、保険、年金、税金の手続きを自分で行わなければなりません。

ここでは、「いつから働きはじめるか」によって3つのパターンに分けて説明します。

 

パターン別 保険・税金の手続き方法

パターン①「退職後すぐに働く」
転職先はもう決まっていて、退職する翌日、翌週からすぐに働き始めるといった人。つまりは、失業期間のない人

パターン②「ちょっとリフレッシュしてから働きたい」
退職後、新しい職場を探そうとは思っているけれど、せっかくだからちょっと休んでから就職しよう。これを機に旅行にでも行こうか・・・などと計画中の人

パターン③「一旦、臨床から離れてスキルアップのために勉強を!」
すぐに働くのではなく、大学や大学院に入りなおしたり、助産師の資格を取るために学校に通ったり、あるいは留学したり、スキルアップのための勉強をしよう、という人

 

パターン①

「退職後すぐに働く」人 《退職時に必要な書類をもらえばOK》
転職先が決まっていて、ブランクなしにすぐに働き始める場合、保険、税金の手続きは基本的に転職先に任せていれば大丈夫です。

自分で役所に行ったり、書類を作成したりという必要はありません。退職時に必要な書類をしっかり受け取り、新しい職場で、担当者(総務、人事、あるいは事務長。職場で確認を!)に手渡せば、必用な手続きを行ってくれます。

ただし、一つだけ注意が必要なのは、住民税です。住民税は、1月から12月までの1年間分所得に課された税金を、翌年6月から翌々年の5月にかけて支払う、後払いシステムになっています。

そのため、1月から5月に退職する場合、一昨年分の住民税を支払い終わっていない状態になるので、残りの未納分は最後の「給料から天引きされることになります。最後の給料がいつもより少なくなるのは、そのためです。ちなみに前年分の住民税は新しい職場で天引きされていきます。

また、6月から12月の間に退職する場合は、前年分の住民税は新しい職場で天引きされていきます。また、6月から12月の間に退職する場合は、前年分の住民税を払い始めたところですよね。

翌年5月までに支払うべき住民税を「退職時に一括で天引きするか」「自分で分割して納付するか(基本は年4回)」選ぶことが可能です。退職時に、人事や総務の担当者から説明があるはずですので、話を聞きましょう。

雇用保険
健康保険
年金
所得税 住民税

 

退職前に、住民税の納付方法について確認を

1~5月に辞めた場合

前々年所得に課された未納分を、最後の給与から一括徴収(天引き)

6~12月に辞めた場合

「退職時に一括天引き」「個人で分割納付」のいずれかを選択可能

 

退職前に必要なこと

  • 「雇用保険被保険者証」と、念のために「離職票」も受け取る 
  • 健康保険は、職場を通じて加入しているため、退職すると、自動的に資格を失う。退職日に、健康保険証の返却が必要 
  • 「年金手帳」を受け取る 
  • 「源泉徴収票」を受け取る

転職先で必要なこと

  • 総務、人事担当者に、雇用保険被保険者証を提出 
  • 新しい保険証を受け取る 
  • 総務、人事担当者に年金手帳を提出 
  • 総務、人事担当者に源泉徴収票を提出

何のための手続き?

  • 新たな職場で雇用保険に再加入するための手続き 
  • 新たな職場で健康保険に再加入するための手続き 
  • 新たな職場で厚生年金に再加入するための手続き 
  • 新たな職場での年末調整に必要

パターン②

「ちょっとリフレッシュしてから働きたい」人 《のんびりする前に手続きを》
全国的に看護師不足の現在、看護資格があれば、就職しようと思えばすぐにできるはず。

だったら、貯金もあることだし、半年くらいのんびりすごしてから就職しようかなー。そんなひともいるでしょう。確かに今は病院も介護施設も看護師は大歓迎ですから、「働き場所が全然見つからない!」というピンチはなさそうです。

でも、のんびり暮らす前に、やるべき手続きがいくつかあります。それまでは職場任せだった雇用保険、健康保険、年金、所得税、住民税の手続きを自分でしなければなりません。

引越しの時に、住所変更の届けを市町村役場で行ったり、電気・水道・ガスなどの住所変更を行ったりといった手続きと同じようなものです。「こういう事務処理って面倒だから好きじゃないんだよね」という人も多いと思いますが、病気になったり、ケガをしたりと、もしもの時に困るのは自分です。

それに、“失業”期間を賢く使うことで得をする仕組みもあります。ここでは、雇用保険(=失業給付のもらい方)と健康保険の手続きについて説明します。

 

退職前に必要なこと

「雇用保険被保険者票」「離職票」を受け取る。

離職票の発行は退職日の翌日以降、10日以内 健康保険は、職場を通じて加入しているため、退職すると、自動的に資格を失う。

退職日に、健康保険書の返却が必要。

国保に入る場合は、「健康保険資格喪失証明書」の作成も依頼 「年金手帳」を受け取る 「源泉徴収票」を受け取る 退職前に、住民税の納付方法について確認を

● 1~5月に辞めた場合、前々年の所得に課された未納分を、最後の給与から一括徴収(天引き)
● 6~12月に辞めた場合、「退職時に一括天引き」「個人で分割納付」のいずれかを選択可能

 

退職後、必要なこと 雇用保険被保険者票、離職票、住民票、写真、印鑑、本人名義の預金通帳を持って指定されたハローワークへ 「国民健康保険」「加入していた健康保険の任意継続」

「家族の被扶養者として健康保険に加入」のいずれかを選択 退職後、2週間以内に市区町村の窓口へ 転職が年をまたぐ場合は、自分で確定申告を。退職した年の12月までに転職した場合は、転職先で源泉徴収票を提出すればOK

何のための手続き? 失業給付をもらうための手続き 何らかの健康保険に加入するための手続き 国民年金の種別変更のための手続き 所得税を支払うための手続き

雇用保険」 失業保険を受けるには?

自ら仕事をやめた人は、4か月先
自ら退職願を出し、退職したけれど、「失業給付って受けられるのかな?」と不安になる必要はありません。

たとえ、自分の部署で退職したとはいえ、仕事をしていないのだから、失業は失業。失業給付はちゃんと出ます。お金をもらいながら、休めるなんて!いいこと尽くしですね。

とはいっても、やはり世の中、そんなに甘くないようで、自分の都合で仕事を辞めた場合、退職後、すぐに失業給付を受けられるわけではありません。「待機」の7日間、「給付制限」の3か月を終えてから、ようやく最初の給付になります。

つまり、3か月間は無収入で過ごすことになるので、失業給付を当てにしてバカンスの計画を立てている人は、要注意。仕事を辞める前にちょっとした蓄えは必要です。

失業給付の対象は?

失業給付の仕組みについて、具体的にみていきましょう。

まず、失業給付の対象は、「失業の状態」であることが前提です。ただし、単純に仕事をしていなければよいというわけではではなく、そもそも「新しい仕事を探し、1日も早く再就職していただくために支給されるもの」なので、

①働きたいという意思があること

②いつでも就職できる環境、健康状態にあること

③にもかかわらず、職業に就くことができないこと—が条件。

つまり、「働き始めるのは半年後にしよう」と決めていても、「再就職先を探しています!」というポーズは必要ということです。

そのため、進学して勉強したい、病気やケガのためすぐには就職できない、妊娠・出産・育児ですぐには働けない、結婚などのために家事に専念しようと思っている・・・といった人たちは、前記の①②の条件に当てはまらないので、失業給付を受けることはできません。

そしてもう一つ条件があり、「離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12か月以上であること。」

つまり、雇用保険に加入している期間(=就職している期間)が12ヶ月以上あることも条件なので、たとえば、新卒で入った病院を12か月未満で辞めた場合は、失業給付の対象にはなりません。ちなみに、病院が閉院した、解雇されたといった「病院都合」の退職の場合は、6か月以上の加入期間があれば失業給付の対象になります。

失業給付を受け取るステップ

失業の認定を受ける!

失業給付を受けるための手続きは、思いのほか簡単です。指定されたハローワークに行くこと、これに尽きます。

かつ、退職後、早期に行くことがポイントです。なぜなら、「ハローワークに行く=受給資格が決定する」ため、遅くなるほど、失業給付を受けるタイミングも遅くなるのです。

ハローワークに行くときに持っていくものは、次の6点。

①雇用保険被保険者証

②離職票

③住民票、または運転免許証

④写真(3×2.5cm程度の正面上半身)

⑤印鑑

⑥本人名義の貯金通帳

これらをもってハローワークに行き、「求職票」に、希望する仕事や希望月収、前職などを記入した後、受付に提出します。

その場で求職票の記入漏れなどをチェックしながら簡単な面談があり、離職票受理されると、「失業の認定」となります。ちなみにこの際、くれぐれも「旅行に行きたい」なんてことを話さないように。

繰り返しになりますが、あくまでも「求職中」ですから。

給付を受けるまでのステップ

ハローワークに行き、失業と認定されてから7日間は「待機」の時間です。そして待機が終わり数日後「説明会」があります。

何を説明するのかというと、失業給付の概要と、不正受給に関してです。また「受給資格者証」と「失業認定申告書」が配布されます。

受給資格者証とは名前や住所、基本手当ての額、受給期間の満了年月日などが記載された、受給の資格があることを証明する書類。失業認定申告書とは、求職活動の状況などを記入し、報告するための書類です。

説明会後、1、2週間後に「認定日」といって、ハローワークに行く日が設定されます。失業給付は、4週間に1度、ハローワークにでかけて、“失業状態であること”を認定してもらい、お金をもらうという仕組みです。

ここで、失業状態であるとは、つまり、「求職活動をしているけど、まだ仕事がみつからない」ということです。ですので、認定日までに何らかの求職活動を行っていることが必要です。

「晴れて自由の身!」と毎日遊び歩いていた、家でずっとのんびり過ごしていたという状態では、認定されません。

求人に応募する、ハローワークや民間の紹介会社が行う職業相談、就職セミナーに参加するなど、「求職活動をしていますよ!」という、具体的な“証拠”が必要です。4週間に1度、このような認定日があり、その初回認定日が説明会の1,2週間後に設定されます。

自己都合の退職以外の場合は、初回認定日の4,5日後に最初の振込みがありますが、自己都合退職の場合、3か月間の「給付制限」があるので、給付を受けられるのは、給付制限が終わった後の第2回目の認定日の4、5日後になります。

2回目以降は、4週間ごとの認定日にハローワークへ行き、そのたび、失業状態を確認し、4、5日後にお金が振り込まれるというサイクルです。ちなみに、3か月間の給付制限の間には3回以上、以降の認定日までの間には2回以上の求職活動が必要です。

失業の認定から給付までの流れ(自己都合退職の場合)

1.ハローワークに行く=受給資格

待機:7日間+3~4日(約10日後)

説明会に参加
4週間

2.ハローワークに行く=第1回目の認定日

3か月

給付期限期間が終了

3.ハローワークに行く=第回2回目の認定日

4~5日間

失業給付が振り込まれる!

失業給付の支給額は? 

《今までの給料の5~8割》

失業給付のもらい方がわかったら、気になるのは、やはりその額ですよね。もらえる金額は、全職での給料をベースに決まります。

退職前の6か月分給料の合計(ボーナスは除きます)を180日で割ったものを「貸し金日額」とし、これを基準に、50~80%(60~65歳の場合、45~80%)が支払われます。

つまり、「賃金日額×給付率(0.5~0.8)」。賃金日額の何割が支給されるかは、金額によって異なり、賃金日額の低い人ほど、割合は高くなります。具体的には、次ページの表1の通りです。

ただし、失業給付の支給額には限度があります。たとえ、前職で高額な給料をもらっていたとしても、一定額までしか支払われません。その上限額は表2の通りです。

前職での賃金の何割がもらえる?

1.60歳未満 60歳以上65歳未満
2.330円以上4.650円未満の人 80%

2.330円以上4.650円未満の人 80%

4.650円以上1万1.770円以下の人 80%~50%

4.650円以上1万600円以下の人 80%~45%

1万1.770円を超える人 50%

1万600円を超える人 45%

2.失業給付の上限は?

年齢 失業給付の日額の上限
29歳以下 6.440円
30~44歳 7.155円
45~59歳 7.870円
60~64歳 6.759円

いつまでもらえる?

この失業給付、いつまでもらえるのでしょうか?「再就職していただくため」に支給されるものとはいえ、再就職するまで永遠に・・・ということはありません。

それまでの雇用保険加入年数の長さによって異なります。自己都合退職の場合は、「10年未満:90日」「10年以上20年未満:120日」「20年以上:150日」と設定されています。

つまり、10年未満勤務した後、退職願を出して辞めた場合、ハローワークで手続きを行った後、約4か月後から3か月間、失業給付がもらえます。

また、雇用保険加入年数(=勤務年数)によって支給日数が変わるということは、たとえば、もし「10年を区切りに転職を」と考えた場合、きっちり10年勤めてから退職したほうが断然お得なのです。

9年11か月であれば90日しかもらえませんが、あと1か月がんばって10年働けば120日間もらえるのですから。もっといえば、1日違うだけで、給付日数は30日も異なります。
雇用保険の“通算”加入年数なので、職場が変わっていても大丈夫。「合計で何年か」が重要です。

ちなみに、倒産や解雇などによる退職の場合は、

失業給付をもらえる期間(自己都合の場合)
被保険者であった期間

1年未満 1年以上 90日

5年未満 5年以上 90日
10年未満 10年以上 120日
20年未満 20年以上 150日
全年齢 ― 90日 120日 150日

失業給付をもらえる期間(倒産・解雇などの場合)
被保険者であった期間
1年未満 1年以上5年未満

5年以上10年未満 90日

10年以上20年未満 90日

20年以上  120日

早く再就職した人にはご褒美「再就職手当て」も

失業給付が何日間もらえるかは、説明しました。ただし、給付日数が残っていたとしても、再就職が決まったら、働き始める前日で支給はストップします。

だったら、ギリギリまでもらってから再就職したほうがいいのでは?そう思うかもしれません。

でも、そもそも失業給付の目的は、再就職してもらうこと。「失業給付があるから、再就職は後回し」になったら本末転倒です。

そこで、「早く再就職しよう」というモチベーションを高めるために設けているのが、「再就職手当て」です。これは、早く仕事を見つけた人へのご褒美のようなもの。再就職手当てがもらえる条件は次の通りです。

① 失業の認定後、7日間の待機期間を満了
② 失業給付がもらえる期間(所定給付日数)の残りが3分の1以上ある
③ 離職した前の事業所への再就職ではない
④ 自己都合の退職の場合(給付制限を受けた人)、待機期間満了後1か月以内にハローワーク、職業紹介事業者の紹介で就職したこと
⑤ 1年を超えて勤務することが確実
⑥ 雇用保険に加入すること
⑦ 過去3年以内に、再就職手当、常用就職手当てをもらっていないこと
⑧ 求職の申し込み前から採用が内定していたものではないこと
⑨ 再就職手当ての給付決定日までに離職していないこと

再就職手当、いくらもらえる?

「再就職手当てをいくらもらえるか」は、再就職するタイミングにより変わります。もともとの給付日数の3分の1以上を残して就職した場合、残りの支給日数の50%、3分の2以上を残して再就職した場合は残りの支給日数×0.5または0.6」という計算になります。

たとえば、給付日数が90日で、その3分の2にあたる60日を残して再就職した場合、「60日×0.6=36日」分のみになるのです。また、残り29日で再就職した場合には、3分の1にも満たないので、再就職手当てはナシということになります。

であれば、満了してから再就職したほうが・・・!?それは、考え方次第ですね。なお、再就職手当てをもらうには、就職した日の翌日から1か月以内に、申請書を提出する必要があります。くれぐれも忘れないように!なります

「健康保険」選択肢は3つ
健康保険は職場を通じて加入しているため、退職すると自動的に資格を失います。では、健康保険に加入しない状態のままでいいかというと、もちろん答えは「NO」。日本は、「国民皆保険」です。

すべての国民はなんらかの健康保険に加入していなければなりません。また、保険に加入していなければ、病気やケガで病院を受診した場合に、全額自分で支払わなければいけません。

自分のためにも、無保険期間がないように、退職後、すぐに健康保険に加入することが大事です。では、どんな健康保険に加入すればいいのでしょうか。選択肢は3つあります。

一つは、「もともと加入していた健康保険を任意継続する」、

2つ目は、「国民健康保険(=国保)に加入する」、

3つ目は「家族の健康保険被扶養者になる」です。

このうち、「健康保険の任意継続」というのは聞き慣れない言葉かもしれません。これは、退職した後も、そのまま今までの保険に加入し続けるという方法。

加入していた期間が、2か月以上あること、退職した翌日から20日以内に、手続きを行うこと。という2つの条件をクリアすれば、任意継続が可能です。

ただし、他の健康保険に加入するまでの“つなぎ”のようなものなので、最長2年までしか加入できません。

任意継続と国保、安いのは?
では、この3つの選択肢はどのような違いがあるのでしょうか。
まず、異なるのが保険料です。

もともと健康保険を任意継続する場合、保険料は全額自分で負担しなければいけないので、在職時の2倍(在職時は会社と本人で折半)支払うことになります。

国保の場合は、前年度の所得により保険料が計算されるので、もし、前年度の所得が高ければ、その分、保険料も高くなります。

いずれの場合も、今までは給料から天引きされていたので額を気にしたことがなかった人が多いでしょうから、「あ、こんなに高いんだ」と驚くかもしれません。

もう一つの選択肢である家族の健康保険、被扶養者になる場合は保険料はいりません。ただ、年収130万円未満といった条件があるので、条件をクリアできているか、確認が必要です。

一方、それぞれの健康保険により受けられるサービスが異なるかというと、「出産手当金」など、いくつか違いはあるものの、「医療機関を受診したときの自己負担3割」という基本的な部分は同じです。

そのため、どの健康保険に加入するかは、保険料が決め手になります。家族の被扶養者として健康保険に加入できるのであれば、無料なので一番ですよね。家族の被扶養者になれない場合は、任意継続か、国保か。

国保の保険料は、市区町村の国民健康保険の担当科に電話すると教えてもらえます。もともとの健康保険を任意継続する場合の保険料と比較して、どちらが安いかで決めるといいでしょう。

保険料 手続き

健康保険の任意継続 全額(在職時の2倍に) 退職後20日以内に、本人の住所地を管轄する協会けんぽ、または加入していた健康保険組合に必要書類提出

国民健康保険 全額(前年度の所得で決定) 元の職場で「健康保険資格喪失証明書」を作成してもらい、退職後、14日以内に、市区町村の国保担当科に行き、提出。加入日は、退職の翌日になり、保険料も遡って徴収される

家族の健康保険の被扶養者 なし 手続きは、被保険者(家族)の勤務先で行ってもらう。手続きは、退職の翌日から5日以内に行わなければいけないので、要注意

パターン③ 《「一旦、臨床から離れてスキルアップしたい」人》

失業ではなく学生
退職した後、すぐに次の仕事に就くのではなく、大学や大学院に入学する、認定看護師の資格を取るための教育を受ける、留学するなど、一旦、臨床から離れてスキルアップをしたいという人もいるでしょう。

ここでは、こうしたケースでの保険、税金の手続きについて紹介します。

パターン②の「ちょっとリフレッシュしてから働きたい」人と、退職後、仕事に就かないと「いう点では同じですが、違うのは、学生という身分になるということ。パターン

②の場合には、“再就職先を探している状態”として失業給付を受けることができますが、学校に入るということは、「就職しようという積極的な意思があり、就職できる能力(環境)がある」という失業給付の支給要件に当てはまりませんから、「失業の状態」とはみなされません。

そのため、失業給付を受けることはできないのです。このほか、健康保険、年金、所得税、住民税については、それぞれ、自分で手続きを行う必要があります。

雇用保険 健康保険 年金 所得税 住民税

退職前に必要なこと 「雇用保険被保険者証」と、念のためい「離職票」も受け取る 健康保険は、職場を通じて加入しているため、退職すると、自動的に資格を失う。退職日に、健康保険証の返却が必要。

国保に入る場合は、「健康保険資格喪失証明書」の作成も依頼 「年金手帳」を受け取る 「源泉徴収票」を受け取る 退職前に、住民税の納付方法についての確認を

1~5月に辞めた場合、前々年の所得に課された未納分を、愛護の給料から一括徴収(天引き)

退職後必要なこと 転職活動を始めるまで、「雇用保険被保険者証」「離職票」は保管しておく 「国民健康保険」「加入していた健康保険の任意継続」「家族の被扶養者として健康保険に加入」のいずれかを選択 退職後、2週間以内に市区町村の窓口へ 転職が年をまたぐ場合は、自分で確定申告を。

退職した年の12月までに転職した場合は、転職先で源泉徴収票を提出すればOK

●6~12月に辞めた場合、「退職時に一括天引き」「個人で分割納付」のいずれかを選択可能
何のための手続き? 学校を卒業後、転職活動を始めてから失業給付を申請することも。 何らかの健康保険に加入するための手続き。 国民年金の種別変更のための手続き 所得税を支払うための手続き。

出産・子育てを助ける給付金を活用しよう!

出産時に42万円 出産前後に給与の3分の2

退職後、少し休暇を取り、転職の合間に出産・子育てを・・・という人もいるでしょう。健康保険には、そんな時に助けてくれるサービスがあることをご存知ですか?

出産一時金

出産をすると、どの健康保険でも「出産育児一時金」「家族出産育児一時金」として42万の支給があります。

出産一時金とは健康保険・国民健康保険の加入者が出産したときにもらえるお金のこと。家族出産育児一時金とは、健康保険の被扶養者が出産したときにもらえるお金のことです。

つまり、誰でもどちらかの名目で42万円をもらえるということです。ちなみに、一時金の額は、生まれた子どもが双子の場合には倍の84万円になります。

また、“出産”一時金という名前ですが、残念ながら死産・流産してしまった場合や、人口妊娠中絶の場合も支給の対象です。ただし、妊娠後85日以上経過していることが条件です。

出産手当金

出産一時金とは別に、「出産手当金」というのもあります。ただし、残念ながら国民健康保険にはありません。出産手当金とは、出産で休職した際、無休となる人のために支給されるお金のことです。

仕事を休んでいても一部給与が出る場合には、その差額分が支給されます。出産手当金として支給される金額は、日給の3分の2の金額を、出産予定日前の42日間(双子以上の場合は98日間)と産後56日間の合計98日分。

もし出産予定よりも出産が遅れた場合には、遅れた日数も支給されます。この出産手当金の対象となるのは、基本的には在職中の人です。

ただし、退職した後でお条件をクリアしていれば支給を受けることができます。その条件とは次の通りです。

①退職まで継続して1年以上の保険加入期間がある。職場を変わった場合でも、1日のブランクもなく転職し、加入が継続していればOK。

②在職中に出産手当金を受けているか、受けることができる状態にあること。前記②の「受けることができる状態」とは、給与が支給されているために、支給が停止状態にある、あるいは、まだ請求手続きをしていないといったケースです。

もし、出産を機に仕事を辞めようと考えているのであれば、出産手当金の申請まで行ってから退職した方がお得です。退職前に、申請方法を勤め先に確認しましょう。なお、出産一時金も、出産手当金も、2年以内であれば遡って請求することができます。

「知らなかった」「忘れていた」という人は、後からでも請求しましょう。せっかくもらえる権利があるのですから、活用しない手はありません。

児童手当の申請は出産後すぐに

出産後、育児をサポートするものとしては、「児童手当」があります。この支給額は表の通り。出産の翌日から15日以内に請求すれば、出生日の翌日分から支給されます。

これは、申請が遅れた場合、申請前の分はもらえません。ママになったらすぐに手続きを行いましょう。

児童手当はいくらもらえる?

一般世帯の場合
3歳未満 月額1万5.000円
3歳以上小学校修了前(第1子、第2子) 月額1万円
3歳以上小学校修了前(第3子以降)※ 月額1万5.000円
中学生 月額1万円
※ 「第3子以降」とは、高校卒業まで(18歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の養育している子どもうち、3番目以降の子ども

所得制限以上の世帯
当分の間の特例給付(附則に規定) 月額5千円
辞めるときの最終チェック!退職日に返すもの、もらうもの
● 勤務先に返却するもの
□ 健康保険被保険者証
□ IDカードなどの身分書類
□ 通勤用の定期券
□ 制服
□ 病院の費用で購入した書籍、参考資料
□ 業務用の関係書類

● □ 離職票
□ 雇用保険被保険者証
□ 年金手帳
□ 健康保険資格喪失証明書(国保加入時に必要)
□ 退職証明書(健康保険の家族の被扶養者なるときに必要)
□ 源泉徴収票(確定申告時に必要)