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看護師転職ごっこ

転職を繰り返した看護師の私が毎日元気になれるよう、仕事、人生にふらふらしたときに気ままに書いています。

医療機器営業マンの苦悩

experience

昼休みになると、医局の前でスーツ姿の人がズラッと待ち構えてる光景をよく見ます。彼らは、製薬会社や医療機器メーカーの営業さん。昔は"プロパーさん"、今は"MR"って言っています。ちょっとベテランの医師だと、いまだについ"プロパーさん"って言っちゃうみたいですけど。

彼らは、自分の担当する薬や医療機器を売り込むのが仕事。例えば薬の場合は、処方をするのは医師ですから、彼らにいい印象を与えることができれば自分の売り上げに直結するわけです。あと、もうひとつは自分の担当する医薬品の"治験(新しい薬を作るときに必要な検査)"をお願いする、という目的もあります。薬品が認可されるためには、患者さんにその薬を投与する臨床実験が必要です。そして、治験に参加してもれるかどうかは医師のさじ加減ひとつ。なので、大きな病院だと外科と医局長が一番接待を受けるみたいですね。薬品の導入賢は薬局長が握っていますから。競合製品が多い機器や薬品になると、その営業合戦は本当に歯列です。
最近では製薬会社や医療機器メーカー同士で協定が結ばれているみたいで、あまりに派手な接待はNGになっているみたいです。それでも、裏では接待攻勢は脈々と受け継がれ、時々ビックリする話も聞きます。
クラブやキャバクラの接待は当たり前。今はどこのメーカーも厳しいのでそこまで豪勢な店には行けないみたいですけど、大学病院クラスになると銀座や六本木の座っただけで5万円の超高級クラブに軟禁されるなんて話も聞いたりします。京都だったら祇園で、芸者さん呼んで宴会とか。本当にあるんだそんな世界、って感じです。これでもバブル期に比べれば全然地味になったっていうから、バブル期は一体どんなだったんだと。
医師が治よ鵜で学会があるとなったらMRもついて行って、宿泊場所から食事まで、ツアコンばりに現地のお世話。そこまでするかとお思いかもしれませんが、彼らとしてはふたりきりになれる時間が多ければ多いほど、自分の担当する商品を売り込むチャンスが増えるわけです。これ、海外の学会でもついて行くって言うのがすごい。
もちろん、営業のためならプライベートも犠牲にします。休日にゴルフのお供も当たり前。男性MRは、財布代わりに呼び出されたり、"風俗に連れてって"とねだる先生はありませんが、あからさまなセクハラを受けている人もいるみたいですし。
普段仕事を一緒にするナースには、さすがにうあかつなことで敵にまわせないから手を出さないけど、取引先だったら後腐れもないし・・・・・という考えが医師の方もどこかであるんでしょうね。それでも毎日毎日医局で待ち構えている彼女たちの姿を見ると、ストレス溜まっているんだろうな・・・・・と同情します。

接待の恩恵を受けるのは医師なので、私たちナースはあまりMRと接点がありません。でも、私はこれまで2回ほどその接待のおこぼれにあずかったことがあります。おのうち1回は、医師と同僚ナース数人で、表参道の高そうなワインバーに連れて行ってもらったとき。そのときは、さんざん飲んだ後に、お土産にケーキまで用意されている周到さ。もちろん帰りのタクシーチケットまで!ナースなのにこんなことをしてもらっちゃって、と思わず恐縮するくらい。
帰りのタクシーの中で思わずケーキの箱を開けて確認しちゃいました。"先生に渡してください"って書いた現金の封筒とか入っていたらどうしよう!って。もちろん、普通のケーキでしたが(笑)。でもほんの束の間、時代劇によく出てくる、越後谷から賄賂の小判をもらう悪代官の気分になれました(笑)。

あと私たちが恩恵を受ける部分といったら、それぞれのメーカーのグッズが貰えるという点くらいでしょうか。病院に行って事務室や受付を見ると、薬の名前が入ったボールペンや付箋、クリップを使っている光景を見たことありませんか?あれは彼らが販促ツールとして配っているものなんです。基本的には医師に渡して、そこから私たちナースに「使っていいよ~」と回ってくる感じです。だからああいったグッズをたくさんくれるメーカーの人は、ナースからは好印象だったりします。それでなくても普段目にするのは、男性といっても白衣の先生やパジャマ姿ばかりなので、スーツ姿の男性が病院内にいるだけで"2割増し"くらいに見えたりするんですけどね。ひっそりと陰で、
「○○製薬会社の人カッコ良くない?」
って、ナース同士で噂してることもあります。残念ながら、仲良くなることはほとんどないんですけどね。

ライティング&投稿 小西 仁瑞